その後、流れは大きく変わっていきました。 2022年7月、勤怠管理は親会社が使っている Excel 入力ベースのパッケージへ、事実上置き換えられました。 ただ、問題は勤怠システムだけではありませんでした。
その後、流れは大きく変わっていきました。
2022年7月、勤怠管理は親会社が使っている Excel 入力ベースのパッケージへ、事実上置き換えられました。
ただ、問題は勤怠システムだけではありませんでした。
当社では、AS/400 上で動いている仕組みのうち、少なくとも三分の一ほどは、親会社側の標準システムだけでは十分に置き換えられない状態でした。
例えば、
・勤怠システム
・細菌検査システム
・食品従事者向け便検査システム
・個人情報保護マネジメントシステム対応の電子媒体管理システム
・特定健診対応システム
・検体コメント共有システム
・検査項目追加確認指示システム
などです。
つまり、親会社標準へ寄せればそれで完結する、という単純な話ではありませんでした。
現場に合わせて長く育ててきた仕組みには、それぞれ理由がありました。
顧客要望への対応、検査運用の細かな違い、情報共有のやり方、法令や管理要求への対応など、個別事情が積み重なっていたからです。
私が在職していた頃は、こうした仕組みを現場の要望に合わせて素早く改修し、顧客対応にも反映できていました。
実際、ある大口顧客とは、単なる受発注の関係を超えて、システムを一緒に育てるパートナーに近い関係を築いていました。
先方の責任者とも信頼関係を重ね、現場で本当に役立つ仕組みを一緒に作り上げていったのです。
その積み重ねが、結果として周辺の複数施設との取引にもつながっていました。
ところが、親会社側の営業判断では、その場で必要とされた裁量や約束ができませんでした。
「これまで通り、一緒にシステムを育てていけるのか」
その問いに対して、現場感覚を持った返答ができなかったことが、結果として大きな関係断絶につながってしまいました。
私が痛感したのは、失われたのは単なる売上ではない、ということです。
・現場で積み上げてきた信頼。
・顧客の要望にその場で応える柔軟さ。
・そして、「一緒に作っていく」という関係そのもの。
そういうものは、一度失うと、数字以上に重い形で残ります。
標準化は、たしかに管理しやすさを生みます。
でも、標準化によって失われるものが何かを見誤ると、現場も、顧客も、静かに離れていきます。
少なくとも私には、あの時に失われたものが、単なる仕組みや契約の話だけだったとは、どうしても思えませんでした。
長い時間をかけて築いてきた信頼や対応力が、現場を知らない判断の前では、あまりにも簡単に切り捨てられてしまう。
その悔しさは、今でもはっきり覚えています。
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