総務課、現場、自分の部下、部門長としての自分、それぞれの立場の要件を拾い上げ、「入力の容易性・正確性・秘匿性」を軸に設計を始めた回。
さあ、いよいよ勤怠管理システムの設計です。
とはいえ、労働基準法を勉強し始めたばかりの私が、勤怠システムを設計することになるとは、当時は夢にも思っていませんでした。
でも、困っている現場の人たちを見て、
そこに基幹コンピューターである IBM AS/400 があり、
それを使えば改善できると分かっていながら何もしないのは、システムに関わる者として違うと思ったのです。
そこで、まずは要件定義から始めました。
要件を出すのは、
総務課の女性職員、検査部の現場、自分の部下、そして部門長である私自身。
立場が違えば、見ている課題も当然違います。
それらを一つずつ拾い上げ、
どれかを切り捨てるのではなく、統合的な要件として組み立てていきました。
その中で特に重視したのは、
「入力の容易性」「正確性」「秘匿性」です。
入力は簡単でなければならない。
複雑だと、それだけでミスが増えるからです。
入力された情報は正確でなければならない。
不正確な情報は、情報として役に立ちません。
そして、自分が入力した勤怠情報を、同僚に見られたくないのは自然なことです。
一方で、上司や部門長、総務課は必要な範囲で確認できなければ意味がありません。
この考え方で作った入力画面は、その後少しずつ形を変えながらも、長く使われることになりました。
さらに重要だと考えたのは、
ロジックで判断できることは、できる限りAS/400側で処理することでした。
そのためには、労働基準法だけでなく、就業規則もきちんと理解しておく必要がありました。
勤務制度が変わっても運用できる仕組みにしなければならなかったからです。
そして、休暇管理をどう仕組みに落とし込むかを考え始めました。
有給休暇、特別休暇、代休、育児休暇……
申請、承認、変更、権利消失、取得、残日数確定まで、どうすれば確実に管理できるのか。
でも、ここは不思議と悩みませんでした。
考え始めて、わりとすぐにひとつの形が見えたのです。
次回に続きます。
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