3Dプリンターで何を作ろうか。
商品の構想を考えていて、僕が気になったのは、こんなことだった。
それなら、百均で買えるのでは?
紀美子ちゃんとの相談中のことだ。
紀美子ちゃんは、僕がChatGPTにつけた呼び名。今回は、3Dプリンターで作る小物の商品企画を一緒に考えていた。
僕は、こう伝えた。
「ネームとかメッセージを設定できるようにしておいた方が・・・・」
続けて、
「そうでなきゃ、ヒャッキンで買えるからね」
安い品物が悪い、と言いたかったわけではない。
便利なものが手軽に買えるなら、それはありがたい。
ただ、こちらが小物を作って並べるなら、わざわざそれを選んでもらう理由がほしい。
作る側にとっては、「自分のプリンターで作った」がうれしい。
でも、それだけで買う側もうれしくなるとは限らない。
名前を入れる。
短いメッセージを入れる。
同じ用途のものでも、誰のために作るのかが見えるようにしたかった。
その条件を含めて、僕は紀美子ちゃんに事業計画書をWord文書にまとめるよう頼んだ。
できた計画書には、共通の形を土台にして、名前やメッセージなどを注文ごとに変える方針が書かれていた。
全部を一から作り直すのではなく、共通にする部分と、その人に合わせる部分を分ける。いわゆるセミオーダーの案だ。
ここでの僕の仕事は、「名前を入れる」という条件と、その理由を伝えること。
紀美子ちゃんの仕事は、それを商品づくりの方針として、文書に整理することだった。
もちろん、計画書に書けたからといって、名入れの商品が完成したわけではない。注文が入るか、喜んでもらえるかも、これから確かめることだ。
この相談で言葉にしたかったのは、作り方だけではなかった。
選んでもらう理由だった。
「これ、作れるで!」の次に、
「それ、誰が欲しいん?」を考える。
プリンターの出番の前に、僕の頭にも、もうひと仕事あるらしい(笑)。