次に出てきたのは、親会社が使っている勤怠パッケージで運用しろ、という話でした。 つまり、AS/400で開発・運用してきた勤怠管理システムは、もう使わない方向で考えろ、ということです。

ただ、親会社の意向は一貫していました。

要するに、
「親会社の運用に、子会社もそのまま合わせること」
です。

次に出てきたのは、親会社が使っている勤怠パッケージで運用しろ、という話でした。
つまり、AS/400で開発・運用してきた勤怠管理システムは、もう使わない方向で考えろ、ということです。

これは2022年7月のことでした。

でも、私には強い違和感がありました。

というのも、AS/400というだけで、外部監査の場でむしろ安心材料として受け止められた経験があったからです。

当社では、個人情報保護マネジメントシステムについて第三者監査を受けていました。
いわゆるPマークに関わる審査です。

この監査は二年に一回行われ、JIS Q 15001 に基づいて審査されます。
毎回、視点の違う質問が飛んでくるので、私はいつもかなり緊張していました。

特にある審査員の方は、質問の切れ味が鋭く、
「この人はただ者ではない」
と、こちらの危機センサーが反応するほどでした。

そして、いよいよ実際のシステム環境を確認する段階になりました。

私は頭の中で、AS/400上でのセキュリティ運用や管理状態を必死におさらいしていました。
どこを聞かれても答えられるようにしておこうと思っていたのです。

そんな中で、その審査員の方がこう聞かれました。

「こちらではサーバーは何を使っていて、端末ではどのようにソフトを使っていますか」

私は
「来た」
と思いました。

順番に答えようとして、まず

「サーバーは AS/400 です」

と言った、その瞬間でした。

審査員の方は、すぐに

「それなら大丈夫ですね。OKです」

とおっしゃったのです。

私は一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。

頭の中では、あれこれ説明する準備をしていたのに、
審査員の方はもう次の現場へ向かって歩き出していました。

10秒ほどして、ようやく理解しました。

この方は、AS/400 の持つ信頼性やセキュリティの強さを、最初から分かっていたのだと。

あの時、
「AS/400でよかった」
と心から思ったことを、今でも覚えています。

だからこそ、その後に
「親会社のパッケージへ寄せるために、AS/400の仕組みをやめろ」
という流れになった時、私はどうしても納得しきれませんでした。

WRITTEN BY太城 義雄(たき よしお)

IBM i / AS/400を愛するSE

CHAPTER 03 · PART 04 · 第5話 / 6 STORIES · 35 STORIES TOTAL

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