あちら(法)を立てれば、こちら(グループトップ)が立たず、こちらを立てれば法が立たない

前回の時点では、

「あちら(法)を立てれば、こちら(グループトップ)が立たず、こちらを立てれば法が立たない」

という、かなり厳しい状況に追い込まれていました。

私の中で見えていた選択肢は、ほぼ3つでした。

① 法の趣旨を優先し、そのまま説明して理解してもらう
② 指示どおりに作ってしまい、責任は上に委ねる
③ 自分には実現できないと判断して、手を引く

でも、①は現実的ではありませんでした。
説得が通る相手ではなく、正面からぶつかれば、こちらが消耗するだけだと感じていました。

②は論外です。
職員に不利になったり、法の趣旨に反する可能性があることを分かっていて、そのまま作ることはできません。

③も頭をよぎりましたが、それでは結局、困るのは現場で働く職員の方々です。

つまり、残されたのは
「何とかして両立できるロジックを考え出す」
という道だけでした。

ここで必要だったのは、発想の転換でした。

そもそも有給休暇は、休暇を取得した日であっても、勤務したものとして給与を保障するための仕組みです。
そして、付与された有給休暇には2年間の有効期間があります。
これは法で定められたルールです。

では、この法の枠組みを守りながら、
職員に不利にならず、
しかも「ある時点で40日以内に見える」ようにできないか。

そこを考え抜きました。

入社後、一定期間が経過すれば一定日数の有給休暇の取得権利が発生する。
この権利付与を、前倒しで扱うことは可能です。
また、職員に不利にならない形で取得可能期間を設計することも可能です。

要するに、

法に反しない
職員に不利にしない
見かけ上は40日以内に見せる

この3つを同時に満たすよう、既存システムを改修すればよかったのです。

そして実際に、全職員の付与状況と取得状況をシミュレーションし、そのロジックで問題がないことを確認しました。

結果として、要求にも一応応えつつ、職員に不利益が出ない形に落とし込むことができました。

ただ、心の中ではかなり複雑でした。

親会社が全職員一律4月1日付与にしていた背景には、紙運用時代の都合があったからです。
つまり、仕組みの合理性より、紙で扱いやすいことが優先されていたわけです。

まさか、せっかく積み上げてきた仕組みの上に、そういう理由で逆向きの変更をかぶせられるとは思っていませんでした。

生きていると、本当にいろいろありますね(笑)

WRITTEN BY太城 義雄(たき よしお)

IBM i / AS/400を愛するSE

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